音感には絶対音感と相対音感の2種類があります。
この2つはよく比較されるのですが、どっちが良いのか、結論から言うと絶対音感です。
ただ、絶対音感と相対音感は全然の別物で絶対音感には絶対音感の良さ、相対音感には相対音感の良いところがあります。
そんな絶対音感と相対音感について今回は深掘りしたいと思います。
絶対音感のこと
絶対音感とはその名の通り、聞く音すべての音が音階で分かる能力。
音にはすべて音程があり、絶対音感を持つ人は一瞬でどの音なのか当てる事が出来る。
絶対音感は大人になったら手に入らない
絶対音感は大人になったら身につけることが出来ません。幼少期の教育で決まります。遺伝だと思われがちですが、遺伝の要素はあまりなくて環境の要因が大きいです。
ちなみに日本は世界屈指の絶対音感持っている人が多い国です。
何故多いかはわかっていませんが日本語の発音が関係あるとか諸説あります。
身につくのは3~7歳ぐらいまで
絶対音感は3歳までに音楽的教養を受ければ身につくものです。
特に才能という訳ではなく、練習すれば誰しも持てる可能性のあるものです。
何故3歳までかと言うと、3歳までに耳の大半が完成するからです。
耳の完成って早いんですね。
それ以降は成長しないので3歳までに聴いてきた世界を使って一生を生活します。
似たような理屈で言葉も3歳までに聞き慣れてなければ覚えるのが大変みたいです。
言葉を雑音と認識しちゃって言葉が言葉として聞こえなくなってしまうそうです。
そうやって言われると幼少の頃の教育って大事なんだなぁって思わされますね。
絶対音感は3歳までがベストってだけで一応7歳ぐらいまでは身につけられるようです。
それ以降はほぼ持てないと言われてます。
絶対音感の習得は言語に例えるとわかり易いと思います。
小さいころ英語に触れてた人は特に勉強する事なく英語を理解出来ますが(僕らが日本語を話すような感覚)、大人になってから
英語を理解しようとすると多大な勉強時間を必要とし、発音に至ってはいつまでも訛りがぬけない。といった方が多いです。
年を取るほど習得は不利になっていきますね。
絶対音感はそれのもっとエグい版みたいな感じです。
僕は12歳からギターを弾いているが絶対音感は0
ギターを始めた頃に絶対音感憧れました。
ギターの先生に聞いたら「難しいかもしれないけど頑張れば付くかもしれないよ」と言ってくれましたが結局無理でした。もうギター歴も長いですが絶対音感は0です。
アプリとかで「音感トレーニング」みたいなのをやりこんでたのでピアノの白鍵だけだと500問連続正解とか出来たりするのですが、基準の音がわからない1問目はどうしても外しがちでした。完全に相対音感ですね。
それと白鍵だけでいくら正解しようが、黒鍵盤も入ってくると途端にからっきしになります。
何回やっても5問ぐらいまでしか正解しない。
自分の場合ですが、メジャースケール上に無い音は拾うのが苦手です。
例えばフラットの音とか入っていたら、なんとなく、これはスケール上に無いなっていうのはわかっても何の音なのか皆目検討がつかないです。
フラットやシャープになると途端に音程感を失う。
ギターに絶対音感は必要?
ピアノやバイオリンだと絶対音感は必須と言われてますが、ギターだと絶対音感は無くても大丈夫と言われてます。
勿論あったに越した事はないのでしょうが、そんな重要な要素ではないと思います。
どちらかというと技術とか知識とかそういったものに置かれる比重の方が大きいような気がします。
なので音楽の教養が今まで全く無くってもギターは始めやすい楽器と言えます
現にプロのギタリストでも多くの人が絶対音感持ってないと思います。
絶対音感は才能で持ってるパターンもある
ギターは友達と一緒に始めたのですが、
ある日何となくに音の当てあいっこしたんですよ、そしたらびっくりするぐらい当てるんですよね。
複数音でも普通にどんなのも当てられる感じでした。
試しに机コンコンってしてこの音何って聞いたらBの♭よりちょっと低いみたいなのを言う訳ですよ。
で、チューナー使って音拾ってみると、まんま言うとおりなんです。
驚きました。絶対音感だと。
それまでピアノとか音楽は一切やった事はないようです。
毎日一緒に遊んでてそんな素振り一切無かったので間違いないでしょう。
リアルに唯みたいなのっているんだなーって思いましたね。
その友達はアホみたいに記憶力良かったのでそれも関係しているかもしれません。
教科書をページごと覚えられるとかそんなタイプでした。
絶対音感は音楽やらない人にとってはむしろマイナス
音楽においては絶対音感は有能ですが音楽と関係ない実生活においてはメリットは無いです。
絶対音感にも精度があって、精度が高いと日常生活においてはストレスが溜まりやすかったりするようです。
例えば普通の人は外が雨でも特に気にする事なく勉強に集中出来ますが、絶対音感持ちにとっては全部音階が付いて聞こえてうるさくて集中出来ないらしいです。
相対音感のこと
基準の音を一つの用意してその音にたいしてどのくらい高いか、低いかで音程を当てる能力。
明確な音程感が無くて、その音が基準の音に対して高いか低いかわかるだけでも相対音感。
相対音感でも絶対音感っぽい事が出来る
僕は「ド」の音出してと言われたら大体どのぐらいの音がドかわかったりします。
これを応用して、
ギターの弦張替えの時チューナーなしでも大体のチューニングが出来たりします。
音程感で探っていってる感じなので絶対音感とは言い難いでしょう。
この音は何となく高い、この音は何となく低いみたいな。
ボカロ曲とか聴いてて音高いってわかるじゃないですか。対して福山雅治は音低いってわかるじゃないですか。その感覚!
相対音感も極めれば絶対音感とそう変わらない事が出来るようになります。
相対音感の強みは転調
相対音感の明確な強みは転調でしょうか。
僕とか、カラオケでキーを上げたり下げたりしても簡単に音を合わせられますが、絶対音感だと気持ち悪くて無理らしいです。ギターでいうとダウンチューニングが苦手みたいな感じでしょうか。
あと楽器によってドがドの音じゃ無かったりするのとかあるじゃないですか。あーいうのも絶対音感の人は苦手っぽいです。
ただ絶対音感の人も相対音感を持っていて相対音感を鍛える事で転調にも対応出来るようになるようです。
相対音感は誰でも鍛えられる
相対音感は誰しもが持っているもので鍛える事が出来ます。
絶対音感のように年齢にはとらわれず、いくつになっても習得する事が可能です。
もし60歳とかの方でも遅くない!
鍛えていくと、基準の音さえわかれば後はなんでも分かるって感覚で、上手い人だと1回聴いただけの曲も殆ど練習せずに音とって弾けるようになると思います。
相対音感の鍛え方
アプリの音感トレーニング。あれって絶対音感にも相対音感にも有能なトレーニング方法だと思います。
色々な種類がありますが、わりかしどれを選んでも問題ないと思います。自分に合ったのを見つけるのがいいかと。
スマホで手軽に出来るし練習法として結構優秀なんじゃないでしょうか。
あとは耳コピ!僕は何百曲とか耳コピしてだいぶ鍛えられた感じがします。
耳も鍛えられるし、ギターの練習にもなるしで一石二鳥です。
慣れてくると耳コピし始めてから弾けるようになるまでのスピードも段々と早くなっていきます。
絶対音感が相対音感より優れてると思うわけ
絶対音感でも相対音感でも音はとれます。
なので音を取るという事において絶対音感と相対音感で優劣はないと思います。
では何故僕が絶対音感のほうが優れていると思うか。
それは圧倒的な時間効率の良さです。
例えばこの曲弾きたいという楽曲があったとします。
絶対音感は1回耳で聴いただけで音がとれますが、相対音感はよほど簡単な楽曲でない限り1回聴いただけで音はとれません。
相対音感は前提としてまず手元に楽器が必要です。
普通のJ-popsだと大体弾きながら確かめて2、3回ぐらい音源を聴く必要があるかと思います。
相対音感についてもっというと音を取るのにかかる時間は音数にダイレクトに影響されます。
僕の場合で例を上げると、簡単なコード進行でパワーコードだけだった場合1回聴いただけで(ギターで音を確かめながら)弾けるようになったりしますが、速弾き系で難解なギターソロを完コピする場合は30秒の音を取るのに20分とかかかったりします。
絶対音感だと速弾き系で難解なギターソロだとしても30秒であれば30秒しか音を取るのに時間はかからないのですから圧倒的効率です。
最後に
絶対音感が優れていると思うのは楽器奏者のプレイヤー目線です。
作曲者であれば音の聴こえ方が変わってしまうので一長一短になるので絶対音感と相対音感に優劣はつけられないでしょう。むしろ作曲だけみたら昨今の音楽シーンでは感性的に相対音感のほうが向いているかもしれません。
まとめると絶対音感が良いか相対音感が良いかはその人の立ち位置によって変わります。
・楽器奏者:絶対音感優位
・作曲家:絶対音感も相対音感も同じぐらい
・音楽をやらない人:相対音感優位
絶対音感と相対音感は別物なので明確な比較は出来ませんが概ねこんな感じかと思います。
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