ミックスボイスについて解説。誰でも習得出来るわけではない。

音楽

巷で話題のミックスボイス。
僕も出せるようになりたくて1年ほど前からヒトカラ行ったりボイトレ行ったりして練習しました。
結局現在習得には至っていません。ですが練習したり調べたり教えてもらったりしてある程度わかってきたので、わかる範囲でミックスボイスについて解説します。

ミックスボイスには大きく分けて3種類ある

ミックスボイスは人によって定義が曖昧です。
僕ら素人だけではなくプロの人でも人によって言っている事が違います。
明確な定義がないのでここでは地声っぽく高い音HiA以降を出す歌唱法をミックスボイスと呼ぶことにします。

・米津玄師タイプ
・UVERworldタイプ
・まふまふタイプ

わかりやすくこの3人のアーティストで分類しました。
なぜ3種類に分類したかというと同じミックスボイスなんですが発声のアプローチの仕方が全然違うからです。
全くミックスが出せないと過程すると難易度は米津玄師→UVER→まふまふになると思います。

米津玄師タイプ

他にもRADWINPSやBUMPなど、一般的な男性アーティストはこの部類だとおもいます。

え、地声じゃないか?と思われる方も多いと思いますがミックスボイスです。
地声の要素が多いですが裏声の要素も入っています。
そもそも地声100%だとHiAはまともに出せません。喚声点を超えている時点で紛れもないミックスです。

特徴としては地声と裏声の声質が明確に分かれていること。フリップ型と言われればフリップなのかもしれない。
体感は地声の人が多いです。

UVERworldタイプ

他にもOffcial髭男dismの藤原さんやONE OK ROCKのTakaなど、ミックスボイスでイメージされるのはこの辺りのアーティストだと思います。
当たり前のようにHiAより高い音を連発するのでミックスボイス無しではまともに歌えないです。

地声と裏声の間とか地声と裏声を混ぜた声と言われますが感覚的にはそれがしっくりきます。
ただ高音でもわりと楽に発声出来るのでどちらかというと裏声に寄ると思います。

まふまふタイプ

他にもウォルピスカーターなど歌い手に多いです。

中性的な声の人が多いです。
高音でも静かに発声出来るのが特徴。

ミックスボイスが地声と裏声の間とするならこれはミックスと裏声の間にあるような声だと思います。
人によっては閉鎖の強いヘッドボイスと言う人もいるかもしれません。
これ系統は声変わりしてるかわからないような喋り声から高い人が多いです。

アプローチの仕方

米津玄師タイプの出し方

地声でのゴリ押しタイプでもある。
しかし地声100%でゴリ押そうとすると無理です。
いわゆる地声ベースのミックスボイス
高音で力入っていますが適度な脱力も必要です。
高音で喚声点を超えるには喉を締めたりしない事です。

UVERworldタイプの出し方

米津玄師系の応用でもある。
喚声点超えてる声を柔軟に使う事が出来れば裏声に繫げていく事が出来ます。
話声で歌ってた人がミックスまで到達してもこういった歌声は使いこなせないと思います。
努力は一日にしてならず。筋トレをするように地道に練習していく必要があります。

まふまふタイプの出し方

情報が少ないのでよくわからない部分が多いです。
地声が高め~声変わりしてない人が殆どで、元々地声が低い人が歌えるようになるのは稀かと思います。
ミックスボイスは個性が強く出る傾向にありますが、これ系の歌声は更に個性が強く出ます。
歌マネするのも至難かと思います。
努力で手に入るかもしれませんがセンスが必要です。

ミックスボイスについて勘違いされている事

言ってることが人によって違うので間違っている情報も多いです。

誰でも習得出来る可能性はあるが、誰でも習得出来るとは限らない

誰でも習得出来るとかよく言われていますが、実際どんなに練習しても習得出来ない人もいます。YouTubeやブログでも言われたりしていますが無責任だと思う。
感覚の世界でコツが掴めるかどうかが全てです。
練習量には全く比例しません。1発で出せるようになる人もいれば10年20年かかってようやく出せるようになる人もいます。
正直習得に10年20年かかるものは「誰でも出来る」とは呼べないと思います。

ミックスボイスの高さにも限界はある

ミックスボイスを習得したからいくらでも高い音が出せるかと言われればそうでもないです。

・米津玄師タイプ
普通の人だったら最高音はhiA~hiA#
声高い人でhiBぐらいだと思います。
最高音付近で詰まったようになりそれ以上の音が出ません。
ちなみに「Lemon」の最高音はラスサビでhiBです。たかい。

・UVERworldタイプ
最高音はhiC~hiD
地声成分を減らしていきHiD辺りで完全にヘッドボイスになるってパターンが多いです。
繋がり方が自然なのでどこで裏声になったかわからなかったりします。
hiDより高くなると声が薄くなるので楽曲自体最高音がhiBやhiCに設定されていものが多いです。


髭男のPretenderで上げると
「たったひとつ確かなことがるとするのならば」のとことか殆どヘッドボイスだと思います。でも聞いてると自然で地声に聞こえます。
藤原さんはミックスが綺麗でつなぎ目が全然わからない。

・まふまふタイプ
最高音はhihiD付近。かなり音域が広いです。
hihi域は張り上げて出しています。
hihiDよりも高い音は地声成分が入ってると出ないので、裏声100%のスーパーヘッドボイス、ホイッスルボイスを使って発声します。
事実上ミックスボイスの限界はhihiD付近となります。

喚声点がなくなることはない

天然ミックスでも喚声点自体は存在します。

まふまふさんのLemonはオケが静かで喚声点がわかりやすいと思います。
「夢ならばどれほよかったしょ」みたいな感じで切り替わってます。この場合は喚声点低い位置にありますね。

天然ミックスやミックスボイスの習得に苦労しなかった人は喉が柔軟なので切り替えている意識が無く地声から裏声まで1本に繋がってるとか、全部地声の感覚って人が多いです。
対してミックスボイスの習得に苦労した人は切り替えている意識があり、凄く上手くなっても切り替えている意識があったりします。
感覚が違うだけでやってる事は一緒なのでどちらでも問題ないと思います。
切り替えてるからミックスじゃないなんて事はないです。切り替えててもミックスはミックスです。

アーティストは全員ミックスボイス

基本的にプロの歌手は全員ミックスボイスです。
地声に聞こえても裏声の要素が入っている事が殆どです。
低音からミックスボイスで歌っています。

完全地声100%で歌うのは素人ぐらいです。
地声100%というのは話声で歌ってるパターンに多いです。
話声と歌声は別と考えた方がいいです。
話声だとmid2Fあたりで苦しくなります。
また話声だと高い人でもhiA以上の音は出せないです。
しかもhiAなんてだそうものなら速攻で喉壊します。

ミックスボイスでも喉に負担はかかる

これは歌い方にもよりますがミックスボイスでも喉に多少なりとも負担かかっている人が多いと思います。
ただ地声100%で歌ってる場合と比較したら天と地ほどの差です。
高音では地声の割合が多いほどきつくなり裏声の割合が多いほど楽になります。

ミックスの達人みたいなスピッツの草野マサムネさんでも喉を何回も壊しています。
高音を楽そうにケロッと歌っているので意外です。
他にもワンオクのtakaやB’zの稲葉なんかもよく喉を壊しているらしい。

ミックスボイス習得に向いている人、向いていない人

ミックスボイスにも向き不向きがあります。

背低い人は向いてる

高音を得意とするプロの男性歌手をみると明らかに背が低い人の割合が多いと思います。
UVERのTakuya∞も髭男の藤原さんも背が低いです。

背が低いと声帯が短くなります。声帯が短いと声が高くなります。
ある程度声が高いと普段の話し声にミックスボイスに使われる喉の筋肉が使われるので、歌でのミックスボイスも自然に使う事が出来るようになります。
声が低い人はその筋肉を全く使わないので中々ミックスボイスを出せなかったりする訳です。ミックスボイスはその筋肉を目覚めさせる事からがスタートです。

向いてる傾向があるってだけで、背が高くても地声ミックスだったりする事もあるし、声低くてもミックスの筋肉使ってる事もあります。

声変わり時期にどのように過ごしたかが重要

身長よりもこちらの方が影響大きいです。
声変わり期にたくさん声を出す事により声の扱いの上手さが変わってきます。
例えば応援団とか最初喉を潰したりしますよね。でも何回も喉潰すうちに潰さないような楽な発声を自然と身につけ喉を潰さなくなります。こういうのが歌にも生きてきます。

僕は声変わり期は陰キャで1日誰とも話さない日も多く、偶に話す時も声が小さく低い声でボソボソ言ってるタイプでした。こういう人はミックスボイスに向いていません。
こういった人は喉の扱いが下手なので繊細な感覚を必要とするミックスボイスへの道は険しいです。

ミックスボイスを出す方法

前提として裏声が出せなきゃ始まらない

裏声が必須といっていいほど重要になります。
ミックスに入って音階を上げて行くとヘッドボイスという裏声に到達するので裏声が使えないとスタートラインに立てないです。
ミックスボイスってのは地声と裏声を繋げる技術みたいなもんです。
米津系は地声のゴリ押しで行けそうな気もしますが、裏声が全く出せない人は上手く脱力する事が出来ないので実際難しいと思います。

地声と裏声を行ったり来たりする練習が効果的

ミックスボイスの練習でよくあるのが地声と裏声を行ったり来たりするやつ。

YouTubeだとこれがめっちゃいい。ボイトレの先生もおすすめしてました。畑中ikkiはわかりやすいです。

行ったり来たりしているとフリップするところがあるのですが、そこを重点的にやってました。
ゆ~っくりやってるといいです。
練習してる内に段々と滑らかになっていきます。その滑らかになったとこがミックスボイスの素です。

あとは同じ音程で地声から裏声を行ったり来たりするのも効果的です。
トップノートはmid2F~Gぐらいがおすすめ。
地声の地点からきついですが裏声に切り替える途中で地声っぽい響きなのに楽になるポイントがあります。

鼻腔共鳴を意識する

ミックスボイスの感覚を掴む上で僕が一番わかりやすいと思ったのが鼻腔共鳴です。
鼻の下にピンポン玉ぐらいの空洞があってそこ使って響かせるイメージです。
声を「あ~~~」って出してみてどこで響いているかで判断します。
普通の地声で響きが鼻の方にいっている人は地声がもうミックスみたいなもんです。

よくヘッドボイスなのにミックス出来てると勘違いするパターンがありますが、この響いてる場所で判断出来ます。
ヘッドは口の中(口腔共鳴)や頭で響いています。

あと鼻腔共鳴で鼻から息が通ってるかどうかはあまり関係ないと思います。
ミックスには鼻から息が通ってる方が良いなんて言われています息漏れしてたら声張れません。
鼻炎持ちで綺麗なミックスを出す人もいます。

喚声点付近の曲を歌いまくる

ミックスボイスの練習をするならミックスボイスが上手いアーティストの曲を歌うのが1番練習になるんじゃないでしょうか。
ただ髭男のPretenderなんかだとhiC連発で高すぎるので最高音がhiBやhiA#の曲でやったほうがやりやすいと思います。

耳も大事

アーティストの歌声聴いてここミックスになってるなってわかると自分のミックスの練習にも役立つと思います。

僕は最初ミックスと地声の違いが聴いても全然わかりませんでした。明らかな裏声はわかりますが、地声とミックスとヘッドの違いが聞いていてもわからなくて全部同じに聞こえていました。
しかし何度も意識しながら曲を聞くことによりなんとなくわかるようになりました。
声の質が違います。地声はガラガラしていてミックスは丸っぽいイメージに聴こえます。

ミックスボイスの音域の広がり方

Q:どうやって高音が出せるようになりましたか?

A:ある日突然出るようになりました。
A:段階的に広がっていった。

アーティストの質問とかありますが大体こんな感じで答えてると思います。
音階は徐々に伸ばしていくのではなく一気に広がっていきます。
頑張ってもHiAまでしか出ない~って人がいきなりhiCとか出せるようになるらしい。

出せて終わりではない

ミックスボイスは出す事も難しいですがそれを歌で使えるようにするのは更に難しいです。
とくに高音にいくに連れて地声を引っ張っていく癖がついてるとスムーズにミックスに入っていけないです。
地声の段階からちゃんとミックスにしないと結局フリップしてしまい急に裏声に切り替わってしまいます。

天然の人は普段喋ってる時からミックスです。
対して非天然の人は練習してようやく出せるようになったとしても普段使っていない筋肉で未発達です。
出せるようになったからといっても生まれたての小鹿のようなものでいきなり歌に使うのには苦しいものがある。
それを時間をかけて段々と成熟させていきます。
天然ミックス並のレベルに追いつくのには相当時間をかかると思います。
安定して歌で使えるようになるまでがミックスボイスです。

ボイトレいってもちゃんと教えられる人はなかなかいない

残念ながらまともにミックスボイスを教えられるボイストレーナーは中々いません。
通っていたボイトレもなんか違うなって思ってやめました。その後体験レッスンとかで何件か回ってみましたがいいとこありませんでした。

感覚的な要素が大きい為か、ミックスボイスを楽に習得した人ほど教えるのが下手です。感覚論で無理やり教えてきます。
喉の感覚が優れていないと何言ってるかさっぱりで全然進歩しません。正直YouTubeやブログ見た方が有益です。
逆に苦戦した人は色々研究しているのでそういう人が見つけられたら良いボイトレになるのかもしれません。

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