ぼっち・ざ・ろっく!に出てくる楽器を、ギタリスト目線でまとめました。
機種名だけなら他所にも載っていますが、この記事では実際に弾いたらどうなのか、そして本物は高すぎて買えないけど近い音を出すならどれかまで書いています。結束バンドは高校生バンドですが皆いい機材を使ってます。レスポール・カスタムなんか50万するので中々買えないです。
まずは全員分の早見表から。
結束バンド+廣井きくりの使用機材 早見表
| 人物 | パート | メインの楽器 | 実売価格帯 |
|---|---|---|---|
| 後藤ひとり | ギター | Gibson 1968 Les Paul Custom Reissue | 40〜60万円 |
| 後藤ひとり | ギター | YAMAHA PACIFICA 611VFM(特注仕様) | 10万円前後 |
| 喜多郁代 | ギター | Gibson Les Paul Junior DC | 50〜100万円 |
| 喜多郁代 | (誤購入) | Ibanez BTB866SC | 15万円前後 |
| 山田リョウ | ベース | Fender Player Precision Bass | 10万円前後 |
| 廣井きくり | ベース | YAMAHA TRB1004J | 10万円前後 |
| 伊地知虹夏 | ドラム | TAMA Imperialstar | 10万円前後 |
※価格は為替や年式で大きく動きます。目安として見てください。
後藤ひとり(ぼっち)/ Gibson Les Paul Custom

ぼっちちゃんが使っているギターは2本です。
Gibson Les Paul Custom / ギブソン・レスポール・カスタム

父親からゆずりうけたギターで、アニメでは殆どこのギターが使われています。
実はこのギター、高級ギターです。ギブソン自体高くて、その中でも高いモデルです。ものによって値段が違いますが大体40〜60万円ほどします。しかも作中では父親の使ってたギターという事から、ヴィンテージかもしれない。それを考慮すると100万円を平気で超えるようなギターかもしれません。
モデルは Gibson 1968 Les Paul Custom Reissue(Ebony) とされています。
ぼざろ人気の経済効果でこのギター売れたそうです。ギブソンの入門ブランドである Epiphone にも同じ見た目のギターがあり、そちらも売り切れたりしたそうです。
黒にゴールドのメッキパーツがかっこいいです。僕も欲しいですが高くて買えないです。
そもそもレスポールってどんなギターなのか
レスポールはぼっち・ざ・ろっく!に限らず、アニメで使われている定番のギターです(けいおん!など)。
しかしレスポールは重くて弾きにくく、また最近流行りの音楽とは相性が良くない音なので、万人に勧められるギターではないです。基本的に歪ませて使うギターで、まさにロックとの相性が良い。
アニメで使われているギターと実際の曲のレコーディングで使われているギターって、ちぐはぐな事が多いです。でもぼっち・ざ・ろっく!は曲でもレスポールが使われていると思います。忠実な感じがして良いです。
レスポールは実際どのくらい重いのか
普通のギターは大体3kg台な事が多いのに対し、レスポールは4〜5kg以上あります。高級なレスポールは比較的軽いですが、それでも4kg以上はあるかなという印象です。1kgの差は、実際に持った瞬間に重さを体感出来るぐらい違います。
ハイフレットが弾きにくい理由
シングルカッタウェイは見た目はかっこいいですが、親指側の行ける限度が限られていて、ハイフレットへのアクセスは悪くなってしまいます。
音のクセ
骨太なロックの音を出す時には凄く良いんですが、クリーントーンにクセがあって、オシャレなカッティングの音を出すのとかは相性悪目です。ただこの独特な音が良かったりするので、敢えて使用するアーティストもいます。
YAMAHA PACIFICA / ヤマハ・パシフィカ

ぼっちちゃんが自分で買ったギター。
パシフィカなのは間違いないんですが、ラインナップにないオリジナル仕様です。「PAC600series PACIFICA611VFM」というモデルがベースになっています。X(旧Twitter)の懸賞品として出ていました。

アニメみると色味がもっと暗いのでカラーとしては612VIIFMのTBLというカラーが近いかもしれません。
通常パシフィカはピックアップがシングル×2+ハムですが、ぼっちちゃんのはフロントに P90 が乗っています。レスポール・カスタムといい、フロント P90 のパシフィカといい、ぼっちちゃんの使っているギターは一癖あります。
ぼっちモデルは売られていませんが、島村楽器からぼっち仕様にカスタム出来るアフターパーツが販売されています。
また、記事を書いた当初は無かったのですが、確認したところ公式からぼっちの特注仕様を再現した「PACIFICA611V BTR LTD」というモデルが発売されていました。
番外:Epiphone「Les Paul Custom」のシグネチャーモデル

実際には作中で使われていないギターですが、Epiphone からシグネチャーが出ています。
仕様が作中のギターとズレているので、あまりおすすめしません。Epiphone は安いギターを中心に展開していますが、ぼっちモデルは13万と強気な値段設定です。
後藤ひとりのアンプ・エフェクター
ぼっちちゃんの足元と機材はこうなっています。
アンプ
- YAMAHA THR5(V.2)— 自宅用
- Marshall JCM900— ライブ用ヘッド
- Marshall 1960A— ライブ用キャビネット
エフェクター
- Proco RAT2(ディストーション)
- BOSS BD-2 Blues Driver(オーバードライブ)
- Jim Dunlop GCB-95 CRYBABY(ワウ)
- BOSS MS-3(マルチエフェクト・スイッチャー)
- Custom Audio Japan AC/DC STATION Ver.2(パワーサプライ)
- ARMOR PS-2C または PS-3C(エフェクターボード)
アクセサリー・宅録
- Fender 2″ Monogrammed Straps
- AKG K240 MK2(ヘッドホン)
- オーディオインターフェース:STEINBERG UR シリーズ(型番までは特定できませんでした)
細かい部分も結構作り込まれてるので、ギターに詳しい人が携わったんじゃないかと思います。機材周りについては堅実なものが選ばれてる印象です。
アンプの YAMAHA THR、僕も使ってますが本当おすすめです。家で使うのにも、ちょっと外で使うのにも良い。エフェクターだと BOSS のブルースドライバーなんかは腐りにくくずっと使えるので、持っておいて損のないエフェクターです。
喜多郁代(喜多ちゃん)/ Gibson Les Paul Junior DC

喜多ちゃんが作中で弾いているギターです。
Gibson Les Paul Junior DC

ぼっちちゃんのレスポールと同じく、ギブソンのギターです。このギター、実は喜多ちゃん所有のものではなく、ベースの山田リョウから借りているものになります。
Les Paul Junior はギブソンの中では安いモデルで、円安前は10万円台で買えたりしました。ただ作中に登場した喜多ちゃんのギターは近いものとしてはヴィンテージかカスタムショップで、これも高級ギターです。中々珍しい色ですがPelham Blueというカラーだと思います。値段はわかりませんが50万〜100万ぐらいするのではないかと思います。
実際こんなビンテージポンポンでてくるとは考えにくいのでLes Paul Juniorのオリジナルカラーといった立ち位置かもしれません。
番外:喜多ちゃんがギターと間違えて買ったベース Ibanez BTB866SC

喜多ちゃんがギターと間違えて購入したベース。確かに弦が6本あるし、ギターと間違える可能性はあるかも?
にしても6弦ベースなのでかなり尖ってます。見た目もメタルが似合いそうな感じです。
喜多郁代のアンプ・エフェクター
- Proco RAT2
- tc electronic POLYTUNE(チューナー)
- BOSS BD-2
足元はぼっちちゃんと同じものを使ってますね。ぼっちちゃんよりコンパクトですが、サイドギターですし十分な装備かと思います。
山田リョウ / Fender Player Precision Bass
ここから先はベースとドラムです。機種は複数の資料を照合しましたが、どれも公式発表ではなく考察ベースだったので、推測という前提で読んでください。
- ベース:Fender Player Precision Bass(Polar White/ローズウッド指板)
- アンプ:Ampeg SVT-CL
- エフェクター:BOSS ODB-3
- ヘッドホン:SONY MDR-M1ST
正直に書くと、ベースは専門外です。プレベらしい音、ジャズベらしい音の違いも僕には分かりません。なのでここは機材の紹介までにしておきます。
廣井きくり(SICK HACK)/ YAMAHA TRB1004J
廣井きくりのベースは YAMAHA TRB1004J です。これは YAMAHA の公式サイトにも記載がありました。
- ベース:YAMAHA TRB1004J(4弦)
伊地知虹夏 / TAMA Imperialstar
先に正直に書いておくと、僕はドラマーではないので、ここは機材の紹介までです。叩いた感触までは書けません。
- ドラムセット:TAMA IE52KH6HC-CPM(Imperialstar/レッド)
- スネア:Pearl CS1450
- ドラムスローン:Pearl D-790
- シンバルスタンド:YAMAHA CS865
- ハイハットスタンド:Pearl H-830
劇中の音源で実際に鳴っているギターは何か
上のほうで「曲でもレスポールが使われていると思います」と書きましたが、答え合わせができました。合っていました。
弾いているのは三井律郎さん
アルバム『結束バンド』でギターを弾いているのは、アレンジャーも務める三井律郎さんです。ギター・マガジン2023年8月号のぼざろ特集に、音楽ディレクターの岡村弦さん、劇伴担当の菊谷知樹さんと合わせてインタビューが載っています。
そして使われたギターは Gibson Custom Historic Collection 1960 Les Paul Standard Reissue。Gibson Japan の対談で「結束バンドの楽曲を弾きまくったギター」として紹介されています。
アニメはカスタム、音源はスタンダード
ただ、細かく言うと同じレスポールでも別のモデルです。アニメの設定はレスポール・カスタム、レコーディングで使われたのはレスポール・スタンダード。
カスタムはエボニー指板でゴールドパーツ、スタンダードはローズ指板でメイプルトップが見える仕様。見た目はかなり違います。
ただ音は大体同じだと思います。正直に言うと、僕は聴き分けが全く出来ません。どちらもマホガニーボディにハムバッカーという基本構造は同じなので、そこまで大きくは変わらないはずです。
なぜレスポールだったのか
面白いのは、三井さん自身が「レスポールがギターのデフォルトになっている」という趣旨のことを語っていることです。ぼっちが父親のレスポール・カスタムを受け継ぐという設定に強く共感していて、編曲をするうえで助かった、という話もされています。
アニメに出てくるギターと実際の音源がちぐはぐになりがちな中で、ぼざろがきれいに一致しているのは、こういう背景があったからだと思います。絵に音を合わせたのではなく、弾く人の手癖と設定がもともと噛み合っていたということですね。
演奏面
三井さんはインタビューで、ダブルチョーキングやトレモロ奏法といった、オルタナやギターロックを象徴する奏法を意識的に入れたと話しています。テクニカルに攻めるより「みんなと一緒に鳴らす」ギターを優先した、とも。
言われてみると手数は多いのかもしれません。リードギターは歌の裏でもずっと動いているイメージがあります。ギターソロで魅せるというより、歌の後ろで手数を稼いで聴かせるタイプですね。
三井さん自身も、右チャンネルのギターが「ずっとソロみたいな仕上がり」になっていると話しています。聴いていて受ける印象と一致していて、なるほどと思いました。
予算別:ぼざろの音に近づけるならどのギターか
ここまで書いてきたとおり、作中のギターは基本的に高いです。レスポール・カスタムは50万円、喜多ちゃんのジュニアも年式によっては100万円。同じものを買うのは、正直あまり現実的ではないです。
なので「近い音が出せて、現実的に買えるもの」を予算別に挙げます。
ぼざろの曲をやりたいってなるとやはりレスポールを選ぶとそれっぽい音に近づけるかなと思います。
7万円まで
レスポールタイプのギターは、ストラトやテレキャスターに比べて造形が複雑だったり材料費が高くなる傾向があるので、この価格帯だと選択肢は狭めです。
その中では Gibson 傘下の Epiphone がおすすめです。安めのモデルなら新品で6万円前後から買えます。以前は5万円を切っていましたが、円安で少し上がりました。中古なら2万円台で買えたりすることもあるので、予算がきつかったら中古も全然あり。Epiphone は Gibson の廉価版的な扱いをされていますが、しっかりレスポールの音で中々いい音します。
あとは原曲の音とは違いますが、作中に出るパシフィカは安いし、初心者はこれ買っておけば間違いないって定番だしでおすすめ。僕も使ったりしてます。アニメと同じギターを使いたいって感じだったら、正直これが一番良いかもしれません。パシフィカはジャンル問わずどこでも使えます。
レスポール型で具体的に挙げるなら Les Paul Special です。6万円前後。ピックアップが P-90(シングルコイル)なので、作中のレスポール・カスタムに載っているハムバッカーとは音のキャラクターが違います。そこを気にしないなら、この価格帯では手堅い選択肢です。
ストラト型なら作中にも出てくるパシフィカ。112VM は3万円台で、この価格帯では作りが頭ひとつ抜けています。
10万円前後
10万円前後も、正直レスポールだったら Epiphone かもしれません。下手な国産レスポールを買うと音が全然レスポールっぽくなかったりする事もあるので、おすすめしにくいです。予算が増えたぶん Epiphone の中から選択肢が増えたような感じかな。
ストラト系も、ぼざろ好きな人だったらパシフィカがおすすめかもしれません。パシフィカにも色々グレードがあり、10万円前後あれば高級ラインのパシフィカが買えます。乗っているピックアップが良くなったりします。
レスポールなら Epiphone の Les Paul Custom。ぼっちちゃんのギターと同じ「レスポール・カスタム」で、黒+ゴールドの見た目もそのままです。9万円前後。
パシフィカなら 612VIIFM の TBL。上で書いたとおり、作中のぼっちのパシフィカに色味が一番近いのがこれです。
20万円以上
このぐらい予算が出せるようになってくると、本家 Gibson のギターが買えるようになってきます。レスポールを買うなら Standard や Custom がカッコいいですが、値段が高めなので Classic とか、その辺りもおすすめです。
アニメの設定はレスポール・カスタム、音源で実際に鳴っていたのは Les Paul Standard でした。ただ上に書いたとおり、この2つは見た目の仕様が違うだけで音はそんなに変わりません。見た目で好きな方を選んでください。
ギター本体より先に変えたほうがいいもの
すでにギターを持っていて、ぼざろの曲に合わないからギターを買い替えたい、と思っている人は、無理にギターを買わなくてもいいと思います。
ギターを変える前に、アンプやエフェクターを変えるだけでもかなり変わります。例えばレスポールは低音が強く出ます。僕はシェクターのストラトキャスターを使ってますが、エフェクターで低音を足してあげると、レスポールもどきなそれっぽい音になったりします。
関連:エレキギターの弦のゲージはどれを選べばいいのか/ピックアップの高さ調整
まとめ
結束バンドの使用機材をもう一度まとめておきます。
| 人物 | 楽器 | ひとこと |
|---|---|---|
| 後藤ひとり | Gibson Les Paul Custom / YAMAHA PACIFICA | どちらも一癖ある |
| 喜多郁代 | Gibson Les Paul Junior DC | 高級すぎ。色がかわいい |
| 山田リョウ | Fender Player Precision Bass | 普通にかっこいい |
| 廣井きくり | YAMAHA TRB1004J | 木目きれい |
| 伊地知虹夏 | TAMA Imperialstar | ドラムは専門外なので紹介まで |
アニメをきっかけにギターを始める人はけっこういます。僕自身、中学生のときにテレビで流れていた曲がきっかけでエレキギターを始めました。ぼざろで興味を持った人がいたら、レスポールじゃなくてもいいので、とりあえず1本触ってみてほしいです。
最後に、自分の演奏動画も貼っておきます。ギターは弾いてますが映像は実写からAI合成したものです。

